投資詐欺に誘った知人・紹介者の責任|損害賠償を求められる場合

この記事の結論

  • 紹介者が詐欺と知っていた、または注意すれば分かったのに勧誘した場合は、不法行為として損害賠償を求められることがあります(民法709条)。詐欺をした業者と一緒に責任を負う共同不法行為や、手助けした「幇助者」として扱われることもあります(719条)。
  • 紹介者も同じようにだまされてお金を失っている場合は、責任を問うのが難しくなります。勧誘の言葉、紹介料を受け取っていたか、何を知っていたかが分かれ目です。
  • 損害賠償の請求は、損害と加害者を知った時から3年で時効になります(724条)。勧誘のLINEやメッセージ、紹介料のやり取りを残し、早めに弁護士に相談してください。

最終更新日: 2026-10-24

投資詐欺では、業者から直接ではなく、友人・職場の同僚・SNSで知り合った人などの紹介で勧誘される例があります。業者と連絡がつかなくなると、「紹介した人に返してもらえないのか」と考えるのは自然です。ここでは、紹介者の責任がどう考えられるかを民法と金融商品取引法の条文から整理します(2026年10月24日確認)。

紹介者に責任を問える法律上の根拠

条文中身紹介者にあてはまる場面
民法709条故意または過失で他人の権利・利益を侵害した者は、損害を賠償する詐欺と知りながら、または確かめもせず「確実にもうかる」と勧めた
民法719条1項複数人が共同で不法行為をしたときは、各自が連帯して全額を賠償する業者と役割を分けて勧誘していた
民法719条2項不法行為をそそのかした人(教唆)や手助けした人(幇助)も、共同行為者とみなす紹介料をもらって人を集めていた
民法715条事業のために人を使う者は、その人が仕事で他人に与えた損害を賠償する業者の従業員・代理店として勧誘していた

金融商品取引業の登録が無いのに投資の勧誘を仕事として行うことも問題になります(金融商品取引法29条)。業者が無登録で、紹介者がその勧誘を担っていた場合は、金融庁の無登録業者の公表も含めて確かめてください。

責任を問えるかどうかの分かれ目

見られやすい点責任が認められやすい方向難しくなる方向
紹介者が知っていたこと出金できない人がいると知っていた、警告を見ていた自分も配当を信じて追加で払っていた
勧誘の言葉「元本保証」「絶対にもうかる」と言い切った「自分はこれで増えた」という体験談だけ
紹介料・報酬紹介した人数や金額に応じて報酬を受け取っていた報酬を受け取っていない
関わり方説明会を開く、振込先を案内するなど業者の役割を担った話を伝えただけ

紹介の仕組みが「人を誘うほど報酬が増える」形だった場合は、連鎖販売取引や無限連鎖講の規制が関係することもあります。

紹介者と話す前に残しておくもの

画面の保存のしかたは投資詐欺チェックリストにまとめています。紹介者を責める前に記録を残しておかないと、メッセージを消されてしまうことがあります。

時効と相談先

不法行為による損害賠償の請求権は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効になります(民法724条)。考え方は投資詐欺の損害賠償の時効にあります。紹介者への請求は、内容証明郵便での請求、示談交渉、訴訟と進むため、弁護士への相談が現実的です(投資詐欺の弁護士の選び方)。業者そのものへの対応は投資詐欺・FX詐欺の相談窓口で並行して進めます。

よくある質問

紹介者も被害者だと言っています。それでも請求できますか?

請求すること自体はできますが、紹介者が詐欺を知らず、自分もお金を失っている場合は、過失を示すのが難しくなります。紹介料を受け取っていたか、出金できない人がいると知っていたかなどの事情で変わります。

紹介者を警察に訴えられますか?

紹介者が詐欺と知って勧誘していた場合は、詐欺罪の共犯などとして捜査の対象になり得ます。被害届は業者と紹介者の両方について事情を伝えて出すことができます。

自分が知人を紹介してしまいました。どうすればいいですか?

勧誘をやめ、受け取った紹介料の記録を含めてやり取りを残してください。紹介した人から請求を受けることもあるので、早めに弁護士に相談し、警察にも事情を伝えておくと対応しやすくなります。

本記事は一般的な情報提供で、個別の事案で紹介者に責任があるかを判断するものではありません。

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