偽取引所 弁護士監修

取引画面のスクリーンショットを残すべき理由

「サービスが怪しいと気づいた時点でスクリーンショットを撮っておけばよかった」という声は、被害後の相談でよく聞かれます。取引画面は、後から取り戻すことのできない情報を含んでいます。おかしいと感じた段階で、今すぐ取引画面の記録を始めてください。追加の入金・送金はその前に止めておきましょう。

取引画面が証拠として持つ意味

取引画面のスクリーンショットは、「どのサービスを」「いつ」「いくらで」利用していたかを示す記録です。警察への被害届・弁護士への相談・金融庁への情報提供のいずれの場合でも、具体的な数字・日時・サービスの画面が残っていると、状況の説明が格段にスムーズになります。特に偽の取引所・投資アプリでは、サービスが突然閉鎖されてアクセス不能になるケースがあるため、アクセスできる今のうちに記録しておくことが重要です。

また、取引画面の記録は「表示されていた残高・利益が演出だったかどうか」の確認にも役立ちます。正規の取引所の取引履歴と偽サービスの取引履歴を比較したとき、偽サービスでは実際の市場データに対応しない数値や、整合性のない取引記録が表示されていることがあります。こうした矛盾を専門家が確認するためにも、画面の記録は有用です。

保存すべき画面の種類

まず、ダッシュボード・ポートフォリオ画面(総資産残高・評価益・保有ポジション一覧が表示されている画面)を保存してください。次に、取引履歴・注文履歴の画面を最古のページまでスクロールしながら全件撮影します。取引の日時・通貨・数量・価格が記録されています。

入出金履歴の画面も重要です。どの方法でいくら入金したか・出金申請を行ったか・その結果がどうなったかが記録されています。出金を申請した際に「条件不足」「手数料が必要」などと表示されたエラー画面や案内文も、必ず保存してください。さらに、アプリ内のサポート・チャット画面があれば、そのやり取り全文もスクリーンショットに残してください。

撮影時の注意点

スクリーンショットを撮る際は、画面の端が切れないよう注意してください。特に日時の表示(スマートフォンのステータスバーに表示される時刻)が画面内に含まれていると、「いつ撮影したか」の情報が自動的に記録に含まれます。ページをスクロールしながら撮影する際は、前のスクリーンショットとの連続性がわかるよう、画面の一部が重なるようにして撮影すると、改ざんのないことの確認がしやすくなります。

撮影した画像は、クラウドストレージ(iCloud・Googleフォト・Dropboxなど)にもバックアップしてください。端末を紛失・交換した場合や、アプリが端末からのデータを書き換えようとした場合でも、クラウドに保存されていれば記録が残ります。ファイル名に「20260613_取引履歴」のように日付と内容を付けておくと、後の整理がしやすくなります。

保存すべき画面のチェックリスト

記録後の相談手順

画面の記録が完了したら、警察(#9110)への相談を検討してください。被害届の提出において、取引画面・入金明細・チャット履歴を一式持参すると、状況の説明が具体的に行えます。金融庁の金融サービス利用者相談室(0120-156-811)への情報提供も並行して行うことができます。弁護士への相談では、保全した記録をもとに個別の事情に応じた法的対応の可否を確認できます。国民生活センター(188)でも相談が可能です。

よくある質問

スクリーンショットは警察・弁護士への相談時に状況を説明するための資料として活用できます。法的な証拠能力の評価は個別の状況による部分がありますが、何もない状態と比べて具体的な情報を提供できることは確かです。撮影日時のメタデータが含まれる点、連続性のある複数枚の記録がある点が、信頼性の説明に役立ちます。

一部のアプリはセキュリティ上の理由からスクリーンショットを制限しています。その場合は、別のスマートフォン・カメラで画面を撮影する方法があります。また、PCのブラウザからアクセスできる場合はPCでスクリーンショットを取ることも可能です。記録方法について不明な点は、弁護士や警察の相談時に確認してください。

残高・損益の数字が突然大きく変化した場合は、その変化後の画面も新たに記録してください。以前の記録と変化後の記録を両方保存しておくと、数字の不自然な変動を示す資料になります。数字が急減した場合・ゼロになった場合・「損失が発生した」との表示が出た場合も、その画面を記録した上で追加の入金・送金は行わず、すぐに相談機関に連絡してください。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
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参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

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