ロマンス投資 弁護士監修

会ったことがない相手に投資を勧められた場合の確認事項

SNSやマッチングアプリで知り合ったものの、一度も実際に対面したことがない相手から投資を勧められた場合、その相手が本人のプロフィール通りの人物かどうかを確認する手段が限られています。実際に会えない理由を繰り返し並べながら投資話を進めてくる状況は、ロマンス投資詐欺の典型的なパターンの一つです。追加の送金を止め、やりとりと送金記録を保全することが最初に取るべき行動です。

「会えない」状況を利用する手口

実際に会えない理由として、「海外在住」「遠方で仕事が忙しい」「医療関係者でシフトが不規則」「軍に所属していて外出できない」などの説明が使われます。会いたいという提案をしても、「もう少し落ち着いたら」「次の仕事が終わったら」と先延ばしにされ続けます。

ビデオ通話の要求に対しては「カメラが壊れている」「Wi-Fiが不安定」などの理由で拒否されるか、非常に短時間・低画質の映像を見せることでリクエストをかわすことがあります。実際に顔を確認できないことで、プロフィール写真と本人の同一性を検証する機会が生まれません。

信頼形成から投資誘導までの流れ

対面しないままでも、毎日のメッセージのやりとりによって心理的な距離が縮まっていきます。相手の生活・悩み・家族の話を聞かされることで、親密さと責任感が生じます。この段階で「最近いい投資先を見つけた」「教えてあげようか」という形で投資の話題が差し込まれます。

「会ったことがないのに信頼するのはおかしい」と感じることが難しくなっている状態を狙っているのが、この手口の構造です。長い時間をかけて積み上げた関係性が、金融的な判断に影響を与えます。

実際に会うことを断られる場合の対処

投資を勧めてくる相手に対して実際に会うことを強く提案し、それが明確に拒否または回避された場合は、相手の実在性と投資話の信頼性を改めて疑う根拠になります。実在する人物であっても、詐欺グループの一員として行動している場合もあります。

「会ってから判断する」という立場を崩さないことは、被害を防ぐうえで有効な姿勢です。相手から「会う前に投資だけ先にやろう」という誘導があった場合は、特に注意が必要です。

相談前に保全すべき記録

確認しておきたい事項

案内されたサービスが金融庁の登録業者一覧に存在するかどうかを、金融庁ウェブサイトまたは金融サービス利用者相談室(0570-016811)で確認してください。登録のない業者による投資勧誘は法律上問題のある行為です。

相手の写真を画像検索(Googleレンズ・TinEye等)にかけて、他のサイトや別人のSNSに同じ写真が使われていないかを確認することも有効です。偽りのプロフィールで接触してきた事実が確認できれば、それ自体が詐欺的な意図を示す証拠になります。

相談窓口

消費者ホットライン(188)・警察相談専用電話(#9110)・最寄りの消費生活センターへの相談を早めに行うことで、対応の選択肢を広げられます。弁護士への相談では、損害賠償請求・刑事告訴などの法的手段について個別状況をふまえた見解を得ることができます。

よくある質問

対面の有無は被害届の受理要件ではありません。チャット履歴・送金記録・送金先情報といった証拠があれば、一度も会っていない相手に対しても被害届を提出できます。相手の特定は捜査機関が行います。

短時間・低画質のビデオ通話では本人確認として十分でない場合があります。また、AIを使った映像のなりすまし(ディープフェイク)技術が使われるケースも報告されています。ビデオ通話があったことだけを根拠に相手の実在性を判断するのは慎重を要します。

被害が発生する前でも、消費者センターや弁護士への相談は可能です。案内されたサービスの登録状況の確認・相手のプロフィールの信頼性チェック・今後の対応方針の整理など、予防的な観点からのアドバイスを受けることができます。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
投資詐欺・暗号資産詐欺に関する記事は、一般的な法律情報・証拠保全・相談前準備の観点から弁護士が確認しています。個別の返金可否は具体的事情により異なり、保証するものではありません。

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参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

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