偽取引所 弁護士監修

偽投資アプリで利益表示だけ増える手口

「アプリを開くたびに利益が増えている。本当に儲かっているのか不思議だ」「紹介者から『今が絶好のタイミング』と言われ追加入金した」――そのような状況にある場合は、追加の入金・送金を一度止めて、このページで説明する手口の特徴と照らし合わせてください。画面に表示されている数字が実際の資産を反映しているとは限りません。

利益表示だけが増える仕組み

偽の投資アプリにおける残高・利益の数字は、サーバー側のデータベースに保存された単なる「表示値」です。実際の市場での取引・運用は行われておらず、運営者がデータを書き換えることで画面上の数字だけを増やすことができます。ユーザーからすれば本物の取引所と見た目の区別がつかないほど精巧に作られていますが、その裏では実際の資金運用は一切行われていません。

利益が順調に見えるよう演出されるのには理由があります。残高が増えているように見せることで、ユーザーは「このサービスは機能している」と信頼し、さらに大きな金額を入金しやすくなります。また、「紹介者に感謝したい」「もっと早く始めておけばよかった」という感情を引き出し、家族・友人への紹介(被害の拡大)を促す効果もあります。

出金しようとすると現れる「壁」

利益が蓄積されたように見える段階で出金を試みると、さまざまな名目での追加要求が始まります。「出金手数料の先払い」「税金の前払い」「本人確認レベルのアップグレード料」「ロック解除のための追加入金」など、名目は状況によって異なりますが、構造は共通しています。「払えば出金できる」と思わせて追加入金を繰り返させ、ある時点でアプリへのアクセスが遮断されるか、連絡が途絶えるパターンが典型的です。

このような追加要求は、正規の金融サービスでは発生しません。出金時に「先払い」を求めてくる時点で、そのサービスの正規性について強く疑う必要があります。追加要求への対応は、公的機関や弁護士への相談後に判断することをお勧めします。

画面の数字を疑うための確認方法

アプリ内の残高・利益が本物かどうかを確かめる最初の手段は、少額の出金テストです。「すべて出金する」ではなく「ごく少額だけ出金する」を試みてください。正規のサービスであれば、手続き完了後に指定の口座・ウォレットへ着金します。「条件を満たさないと出金できない」「追加入金が必要」という返答があった場合は、その時点で追加入金を止め、記録を残した上で公的機関や弁護士に相談してください。

金融庁のウェブサイトでは「無登録業者リスト」「暗号資産交換業者登録一覧」「金融商品取引業者登録一覧」を公開しています。アプリの運営会社名やサービス名をこれらのリストで検索し、記載がない場合は登録を受けていない可能性があります。日本居住者に対して投資サービスを提供するには、法律上の登録が必要です。

今すぐ残すべき記録

相談先と次の行動

すでに入金・送金している場合は、警察相談専用電話(#9110)への連絡を最初に検討してください。被害届を提出することで、振込先口座の凍結手続きや捜査の端緒となる場合があります。金融庁の金融サービス利用者相談室(0120-156-811)では、無登録業者への情報提供や相談を受け付けています。国民生活センター(188)では消費者トラブルとして相談が可能です。

弁護士への相談では、相手方の特定可否・送金方法・被害状況などの個別事情をもとに、取り得る法的手段について確認することができます。資金の扱いについては、弁護士への個別相談の前に追加の入金・送金を行わないことが重要です。

よくある質問

最も直接的な確認方法は少額出金のテストです。実際に小さな金額を出金申請し、指定口座に着金するかどうかを確認してください。出金時に「追加入金」「手数料先払い」「レベルアップ」などの条件が提示された場合は、公的機関や弁護士に相談した上で判断することをお勧めします。また、金融庁の登録一覧でサービス運営会社が確認できるかどうかも重要なチェックポイントです。

紹介者の立場はケースによって異なります。紹介者自身も被害者として騙されて紹介しているケースと、意図的に勧誘に加担しているケースの両方があります。いずれの場合も、現状の確認・今後の対応は公的機関や弁護士に相談することをお勧めします。紹介者との関係性・やり取りの記録も証拠として保存しておいてください。

アプリを削除した後でも、銀行の振込明細・クレジットカード明細・送金先のウォレットアドレス・紹介者とのメッセージ履歴などが残っていれば相談は可能です。削除前のスクリーンショットがあればより詳しい情報が提供できますが、残っている記録をもとに警察(#9110)や弁護士への相談を行ってください。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
投資詐欺・暗号資産詐欺に関する記事は、一般的な法律情報・証拠保全・相談前準備の観点から弁護士が確認しています。個別の返金可否は具体的事情により異なり、保証するものではありません。

相談前に、送金状況と証拠を整理しましょう

LINEでチェックリストを受け取り、送金方法・出金状況・やり取りを整理できます。返金や解決を保証するものではありません。

LINEで受け取る

参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

関連記事

相談予約 LINEでチェックリストを受け取る