仮想通貨詐欺 弁護士監修

ETHを送金してしまった場合の確認事項

「ETHを指定されたアドレスに送ったが、出金できなくなった」「イーサリアムを使った投資プラットフォームに入金したが、残高が引き出せない」――ETHを使った投資詐欺では、Ethereumネットワーク(ERC-20)の特性上、送金時にガス代(手数料)も発生しており、記録として確認すべき項目がBTCの場合とやや異なります。まず追加の送金を止め、手元の記録を整理することから始めましょう。

ETH送金詐欺に特有のポイント

ETHを使った投資詐欺では、ERC-20規格のトークン(USDTなど)の送金と混在していることがあります。「ETHで入金してください」と言われてETH自体を送金したケースと、「ERC-20のUSDTで送金してください」と言われてETHをガス代として消費しながらトークンを送金したケースの2パターンがあります。どちらのケースでも、Ethereumネットワーク上の送金はEtherscan(etherscan.io)で確認できます。

また、ETHの場合はEthereum基盤のDeFi(分散型金融)やNFTを絡めた詐欺も存在します。「高利回りのDeFiプールに預けるだけ」「NFTを購入すれば配当が得られる」といった話で誘導し、最終的にウォレットへの不正アクセス権限を付与させたり、偽のDEX(分散型取引所)インターフェースを使ってETHを騙し取るケースもあります。スマートコントラクトへの承認(Approve)操作を行っていた場合も記録として重要です。

Etherscanでの確認手順

国内取引所の送金履歴からTxID(トランザクションハッシュ)を確認し、Etherscan(etherscan.io)の検索欄に入力してください。送金日時・送金元アドレス(From)・送金先アドレス(To)・送金額(ETHまたはトークン量)・ガス代(Gas Used)が表示されます。この画面をスクリーンショットで保存し、URLも記録しておきましょう。

送金先アドレス(To欄に表示されるアドレス)をEtherscanで検索すると、そのアドレスへの全入出金履歴が確認できます。「Token Transfers」タブでは、そのアドレスへのERC-20トークン(USDTなど)の送受信履歴も確認できます。同一アドレスへの多数の入金が確認される場合、資金追跡に役立つ情報になる可能性があります。

確認すべき情報チェックリスト

ETH送金の場合に特に確認・保存しておくべき情報は以下の通りです。国内取引所の出金履歴(TxID・送金先アドレス・送金日時・ETH額)に加えて、ガス代の金額と合計支出額も記録しておきましょう。ERC-20トークン(USDTなど)も送金している場合は、そのトークンのTxIDも別途確認してください。

投資プラットフォームがMetaMaskなどのブラウザウォレットを接続させるタイプだった場合は、承認(Approve)したスマートコントラクトのアドレスも重要な記録です。MetaMaskの「アクティビティ」タブから過去の取引を確認し、各取引のTxIDをEtherscanで照合することができます。ウォレットのシードフレーズ(復元フレーズ)を入力するよう求められた場合は、その事実も記録しておいてください。

相談窓口への連絡前に確認しておくこと

ETHを使った詐欺の場合も、証拠を整理したら警察(#9110またはサイバー犯罪相談窓口)や弁護士への相談を検討してください。Ethereumの送金はブロックチェーン上に永続的に記録されており、TxIDがあれば送金事実の客観的な確認が可能です。金融庁の金融サービス利用者相談室(0120-156-811)では、無登録業者に関する情報提供も受けられます。個別の対処方針については、具体的な事情をもとに弁護士に確認することをお勧めします。

よくある質問

シードフレーズを第三者に知られた場合、そのウォレット内の資産はいつでも引き出せる状態にあります。まだウォレットに残高がある場合は、新しいウォレットを別途作成し、残高を移動させることを検討してください(ただし、移動先も安全であることを確認の上で)。対処方針については弁護士や警察に相談することをお勧めします。シードフレーズを入力させたこと自体も詐欺の証拠として記録しておいてください。

どちらもEtherscanで確認できます。ETHの送金はトランザクションの「Value」欄に表示され、ERC-20トークンの送金は「Token Transfers」タブで確認できます。送金先アドレスが同じ場合、そのアドレスのページを開くとETHとトークン両方の受信履歴をまとめて確認できます。TxIDは送金ごとに異なるため、ETHとUSDTそれぞれのTxIDを別々に記録してください。

出金・引き出しのためにガス代として追加のETH送金を求めるのは、詐欺的な手口でよく見られる手法です。正規の取引所やサービスでは、出金処理のためにユーザーに対して外部への追加送金を求めることはありません。追加送金には応じず、これまでのやり取りと送金記録を保存した上で、弁護士や警察に相談することをお勧めします。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
投資詐欺・暗号資産詐欺に関する記事は、一般的な法律情報・証拠保全・相談前準備の観点から弁護士が確認しています。個別の返金可否は具体的事情により異なり、保証するものではありません。

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参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

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