偽取引所 弁護士監修

投資アプリを削除する前に保存すべき証拠

「もうこのアプリは使いたくない、すぐに削除したい」という気持ちはよく理解できます。しかし、削除は相談・手続きが完了した後にしてください。アプリを削除した瞬間に消えてしまう情報が多く、その後の相談・手続きで必要になる証拠が失われてしまいます。削除前に5〜10分確保して、このページで説明する情報を記録しておくことを強くお勧めします。

削除前に消えてしまう情報がある

スマートフォンのアプリを削除すると、アプリ内に保存されていたデータ(取引履歴・残高・チャット履歴など)はデバイスから消去されます。サーバー側にデータが残っていたとしても、被害者がそれにアクセスする手段はなくなります。警察や弁護士への相談時に「アプリ内でどのような取引が表示されていたか」「どのような金額が表示されていたか」を示す資料がなければ、状況の説明が難しくなります。

特に偽の投資アプリは、被害が発覚したタイミングでサーバーごと閉鎖されるケースがあります。その場合、削除前のスクリーンショットが唯一の記録になることもあります。アプリが今まだ動いているうちに、できる限り多くの情報を記録しておくことが重要です。

最優先で保存すべき情報

まずアプリのトップ画面・残高画面・ポートフォリオ画面をスクリーンショットで保存してください。表示されている残高・評価額・利益数字を記録します。次に、取引履歴・入出金履歴の画面を最古のページまでスクロールしながら全件スクリーンショットを取ってください。「いつ・いくら・どの通貨を取引したか」の記録がそのまま証拠になります。

アプリ内にチャット・サポート機能がある場合は、そのやり取りも全文スクリーンショットに残してください。出金を申請した際の画面・エラーメッセージ・「条件を満たしていない」などの返答も重要な記録です。また、アプリのサービス名・運営会社名・問い合わせ先・利用規約・プライバシーポリシーのページも記録しておいてください。

アプリの外で保存すべき記録

アプリ関連の情報だけでなく、アプリを紹介した人物とのSNSメッセージ・LINEトーク・メール・通話記録も保全してください。スクリーンショットに加え、テキストのコピーやトーク履歴のバックアップ機能(LINEのトーク履歴テキスト書き出しなど)を活用すると、より完全な形で記録できます。

銀行口座・クレジットカードの明細も必ず保存してください。入金・送金の日付・金額・振込先口座番号・仮想通貨の送金先ウォレットアドレス・TxID(取引ハッシュ)が記録されています。仮想通貨の場合は、送金時のウォレット画面のスクリーンショットも保存しておくと、ブロックチェーン上での送金記録と照合できます。

記録した情報の保管方法

記録後の対応手順

記録が完了したら、アプリ内でのこれ以上の操作(追加入金・出金申請・設定変更)は止め、相談先に連絡してください。入金・送金済みの場合は警察(#9110)への相談を最初に検討し、被害届の提出を検討してください。金融庁の金融サービス利用者相談室(0120-156-811)では無登録業者の情報提供も受け付けています。

弁護士に相談する際は、保全した証拠を一式持参・送付することで、個別事情に応じた法的対応の選択肢を確認することができます。国民生活センター(188)でも被害状況の整理や相談先の案内を行っています。記録が多ければ多いほど、相談時に正確な状況を伝えやすくなります。

よくある質問

スマートフォンのカメラロール(写真アプリ)に保存されたスクリーンショットは、アプリを削除しても残ります。さらに安全のため、クラウドストレージ(iCloud・Googleフォト・Dropboxなど)にもバックアップしておくと、端末を紛失・交換した場合にも記録が残ります。PDFや圧縮ファイルにまとめておくと弁護士・警察への提出時に便利です。

アプリ外に残っている記録は有効です。銀行の振込明細・クレジットカードの請求履歴・仮想通貨の送金記録(ウォレット履歴・取引所の送金記録)・紹介者とのSNS・LINEのトーク履歴・メール記録などを確認してください。これらが残っていれば、警察や弁護士への相談は可能です。

相手にトークを削除された場合でも、自分の端末に残っているトーク履歴は消えません。LINEには「トーク履歴をテキスト形式で書き出す」機能があり、トーク画面の設定から実行できます。自分のトーク履歴が残っている間に、テキスト書き出し・スクリーンショット・バックアップを行ってください。バックアップが見つからない場合は、弁護士や警察に相談の上、技術的な復元可能性を確認することができます。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
投資詐欺・暗号資産詐欺に関する記事は、一般的な法律情報・証拠保全・相談前準備の観点から弁護士が確認しています。個別の返金可否は具体的事情により異なり、保証するものではありません。

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参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

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