ロマンス投資 弁護士監修

海外在住を名乗る相手から投資に誘われた場合の確認事項

SNSやマッチングアプリで知り合い、「シンガポールで働いている」「ニューヨーク在住の医師」「海外プロジェクトに従事中のエンジニア」などと名乗る相手から投資を勧められた場合、ロマンス投資詐欺の典型的な手口に該当する可能性があります。海外在住という設定は、実際に会えない理由として機能するとともに、経済的な余裕や国際的な知識があるという印象を作り出す手法として使われます。追加の送金を止め、やりとりと送金記録を保全することが最初の行動です。

海外在住という設定が使われる理由

「海外在住」という属性は複数の目的で機能します。第一に、実際に会うことができない正当な理由になります。第二に、「現地では有利な投資情報が手に入る」「海外の市場を活用できる」という形で、投資誘導の文脈で信頼性を付加できます。第三に、「帰国したら会おう」という約束が先延ばしを正当化するために使われます。

香港・シンガポール・ドバイ・ニューヨーク・ロンドンなど、金融・ビジネスの中心地として知られる都市名が多く使われる傾向があります。これらは「資産運用に詳しい人物」というイメージに説得力を与えるために選ばれることが多いです。

典型的な投資誘導のパターン

最初の接触から数週間〜数か月かけて信頼関係を形成した後、「現地で使っている投資プラットフォームがある」「こちらの友人・叔父が運用しているサービスに参加できる」という形で投資話が出てきます。「あなたにも教えたくて」「一緒に将来の資金を作りたい」という個人的な感情と投資提案を結びつけるのが特徴です。

少額の入金で利益が表示されるデモンストレーションを見せた後、より大きな金額への入金を促します。出金を求めると追加の費用・手続きを理由に阻まれ、解決のためにさらに送金を求める流れが典型的です。

海外在住の真偽を確認する手がかり

相手が名乗る職業・所属先・居住地を確認する方法を試みることで、プロフィールの信頼性を判断できます。所属する会社・病院・機関の公式サイトで従業員・スタッフとして名前や顔写真が確認できるかを調べてください。プロフィール写真を画像検索(Googleレンズ・TinEye等)にかけることで、別人の写真が流用されていないかを確認できます。

ビデオ通話を強く求めても断られ続ける、または非常に短時間しか映像確認ができない場合は、本人確認の手段が限られていることを意識してください。AIを用いた映像なりすまし(ディープフェイク)が使われるケースも報告されています。

相談前に保全すべき記録

相談窓口と対応の方向性

消費者ホットライン(188)・警察相談専用電話(#9110)に連絡し、被害の概要を伝えてください。相手が海外在住と名乗っていても、日本国内の口座や暗号資産ウォレットが送金先として使われていた場合は、国内の捜査機関が対応できることがあります。金融庁「金融サービス利用者相談室」(0570-016811)では、案内されたサービスが無登録業者でないかを確認できます。

弁護士への相談では、保全した証拠をもとに損害賠償請求や刑事告訴の可否についての判断を得ることができます。

よくある質問

正確ではありません。被害者が日本国内にいる場合、または日本国内の口座や取引所が使われた場合、日本の警察が捜査できます。また、国際的な連携捜査が行われるケースもあります。「日本の警察には届けられない」という言葉は、被害届を出させないための虚偽の説明である可能性があります。

書類の偽造はデジタルツールを使えば比較的容易に行えます。送られてきた書類の信頼性だけを根拠にするのではなく、所属機関の公式連絡先への問い合わせや、公式サイト上での当人の確認など、独立した経路での検証が必要です。書類自体は証拠として保存しておいてください。

「帰国後に対応する」という約束で待ち続けている間に、相談や手続きに使える時間が失われる可能性があります。約束が実行される保証はなく、待機している間に相手との連絡が取れなくなるケースも多く報告されています。相談と証拠保全は、相手からの連絡を待ちながら並行して進めることができます。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
投資詐欺・暗号資産詐欺に関する記事は、一般的な法律情報・証拠保全・相談前準備の観点から弁護士が確認しています。個別の返金可否は具体的事情により異なり、保証するものではありません。

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参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

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