出金できない 弁護士監修

本人確認費用を払えば出金できると言われた場合

「出金のために本人確認(KYC)が必要です。費用として〇〇円を送金してください」「本人確認費用を払えばすぐに出金できます」――このような説明を受けて、送金を求められている場合は、支払いの前に立ち止まり、以下の点を確認してください。

正規のKYC手続きとの違い

KYC(Know Your Customer)とは、金融機関が利用者の本人確認を行う手続きのことです。マネーロンダリング防止などを目的として、正規の金融機関・取引所でも実施されています。

しかし、正規のKYC手続きでは、利用者が「本人確認費用」として金銭を振り込む必要はありません。本人確認は通常、運転免許証やパスポートなどの書類をアップロードしたり、ビデオ通話で顔認証を行ったりといった方法で行われます。書類の提出に費用はかかりません。「KYC費用を振り込んでください」という要求は、正規のサービスの手続きとは異なるため、慎重に判断する必要があります。

KYC費用名目の請求がくる状況

この種の請求は、利用者が出金を申請した後に来ることが典型的です。「大口出金には追加の本人確認が必要になった」「新しい規制で出金前にKYC費用の支払いが義務付けられた」といった説明で、数万円から高額な送金を求めます。

支払いをすると、次は「審査完了のための追加書類」「本人確認完了後の出金手数料」「AML費用」など別の名目で次々と請求が来るパターンもあります。また、「〇時間以内に支払わなければKYC申請が無効になる」といった時間的プレッシャーをかけることで、冷静な検討を妨げることがあります。

本人確認書類の提出とお金の支払いは別物

重要なのは、「本人確認書類の提出(KYC)」と「お金の支払い」は本来関係のない行為だということです。正規サービスでのKYCは書類提出であり、お金の送金ではありません。「KYC費用」として金銭の振込を求められた場合、それは本人確認の手続きとは性質が異なります。

もし相手方が正規の業者であれば、本人確認の手続き方法と費用の有無について、公式ウェブサイト上の規約や料金表で確認できるはずです。担当者の口頭説明だけで費用を請求されている場合は、公式の料金案内と照らし合わせてみてください。

相談前に保存しておく情報

公的窓口への相談方法

KYC費用の請求を受けた時点で、まだ支払いをしていない場合でも相談することができます。警察の#9110(警察相談専用電話)では、受け取った請求の内容を説明し、状況についてのアドバイスを受けられます。

国民生活センターの消費者ホットライン(188)は、投資トラブルとして相談を受け付けており、適切な窓口を案内してもらえます。金融庁の金融サービス利用者相談室(0120-156-811)では、業者の登録状況の確認や無登録業者に関する情報提供も行っています。

すでに支払いをしてしまった場合は、これ以上の追加支払いを行わずに、振込先銀行と警察に早期に連絡することをお勧めします。

よくある質問

正規の金融サービスでのKYC(本人確認)は、身分証明書の提出など書類手続きによって行われるものであり、利用者が別途「KYC費用」を振り込む仕組みは一般的ではありません。このような請求を受けた場合は、支払い前に警察(#9110)や弁護士に状況を相談することをお勧めします。

具体的にどの法律・規制の何条に基づくのかを書面で求めてください。金融庁(fsa.go.jp)の公式情報や、業者の公式ウェブサイト上の利用規約・料金案内でも確認できます。金融庁の金融サービス利用者相談室(0120-156-811)に問い合わせることもできます。

書類を提出したにもかかわらず追加の費用を請求される場合、それは正規のKYC手続きとは異なる可能性があります。書類提出後の費用請求の根拠について書面で確認を求め、納得できる説明がなければ追加の支払いは保留した上で、警察(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談することをお勧めします。
監修:松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会/登録番号 55199/青山北町法律事務所)
投資詐欺・暗号資産詐欺に関する記事は、一般的な法律情報・証拠保全・相談前準備の観点から弁護士が確認しています。個別の返金可否は具体的事情により異なり、保証するものではありません。

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参考資料・相談先

  • 警察相談専用電話 #9110(緊急時は110番)
  • 消費者ホットライン 188 / 国民生活センター
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(登録業者の確認)

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